2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『喪失と獲得』(ニコラス・ハンフリー) 〜 【ヴォカリーズ】(SLAVA)

喪失と獲得―進化心理学から見た心と体作者: ニコラスハンフリー,Nicholas Humphrey,垂水雄二出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2004/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 45回この商品を含むブログ (62件) を見る こころはどこにあるのか。 こどもの…

『デザインと行く』(田中一光) 〜 【地の響】(芸能山城組)

デザインと行く (白水Uブックス―エッセイの小径)作者: 田中一光出版社/メーカー: 白水社発売日: 1997/08メディア: 新書購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (19件) を見る 田中一光はいつもデザインを見つめつづけていた。 デザインだけではあきた…

『水晶幻想』(川端康成) 〜 【春の祭典(ピアノ版)】(ストラヴィンスキー、ピアノ:ファジル・サイ)

水晶幻想/禽獣 (講談社文芸文庫)作者: 川端康成,高橋英夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 1992/04/03メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る 「情緒」という言葉が苦手だった。どこか黴の匂いや、どこからともなく忍びよる陰湿な冷…

『眼の哲学 利休伝ノート』(青山二郎) 〜 【エア】(武満徹作曲、フルート:ニコレ(オーレル))

眼の哲学・利休伝ノート (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者: 青山二郎,森孝一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/03/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (10件) を見る 利休は前代未聞の目利きだった。眼が生活の糧にな…

『情緒と創造』(岡潔) 〜 【プレイアデス舞曲集】(吉松隆)

情緒と創造作者: 岡潔出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/02/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (7件) を見る 思わず香ばしさを感じてしまうことがある。稀代の数学者岡潔はそんな香ばしさを放ちつづけたその人だった。二十…

『脳の中の小さな神々』(茂木健一郎、聞き手・歌田明弘) 〜 【パッヘルベルのカノン】(イ・ムジチ合奏団)

脳の中の小さな神々作者: 茂木健一郎出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2004/06/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (29件) を見る 世界はいつもみずみずしい。今宵にかぎっていつになく月がピカピカに見えたり、マーマレードの…

『飛ぶ男』(安部公房) 〜 【音楽の捧げもの】(J・S・バッハ)

飛ぶ男作者: 安部公房出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る いつしか安部公房については一度書かなければならないと思っていた。学生時代、ぼくもついひかれてその頃安部公房がはじめていた安部スタ…

『伝奇集』(J・H・ボルヘス) 〜 【夜のガスパール】(M・ラベル)

伝奇集 (ラテンアメリカの文学 (1))作者: ボルヘス,篠田一士出版社/メーカー: 集英社発売日: 1984/09メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) を見る 「ボルヘスがコートを脱ぐと、はたしてそこにあらわれたのは一冊の古びた書物であった…

『近代科学の終焉』(北沢方邦) 〜 【MY FUNNY VALENTINE】(Miles Davis)

近代科学の終焉作者: 北沢方邦出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 1998/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 近代は科学とともにやってきた。ところが最近少し様子が違う。近代空間のなかで夢のような快適なサービスを提供されているはずな…

『忘れられた日本人』(宮本常一) 〜 【REPEAT PERFORMANCE】(おおたか静流)

忘れられた日本人 (岩波文庫)作者: 宮本常一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1984/05/16メディア: 文庫購入: 49人 クリック: 366回この商品を含むブログ (218件) を見る 日本だってたそがれの国である。油断するとつい忘れてしまう。 むかし、お酒のCFで海…

『二十世紀の忘れもの』(佐治晴夫+松岡正剛) 〜 【Waltz for Debby】(ビル・エヴァンス・トリオ)

二十世紀の忘れもの―トワイライトの誘惑作者: 佐治晴夫,松岡正剛出版社/メーカー: 雲母書房発売日: 1999/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 19回この商品を含むブログ (8件) を見る 忘れてしまいたいこともある。忘れてしまったこともある。忘れがたい…

『ピーターラビットのお話』(B・ポター) 〜 【悲歌のシンフォニー】(H・グレツキ)

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)作者: ビアトリクス・ポター,Beatrix Potter,いしいももこ出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 2002/10/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (65件) を見る かくも地上と…

『かいじゅうたちのいるところ』(M・センダック) 〜 【かいじゅうたちのいるところ】(O・ナッセン)

かいじゅうたちのいるところ作者: モーリス・センダック,じんぐうてるお,Maurice Sendak出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1975/12/05メディア: ハードカバー購入: 19人 クリック: 836回この商品を含むブログ (291件) を見る 幼いころに見た夢はきまって「かい…

『フラーがぼくたちに話したこと』(B・フラー) 〜 【Children's Songs】(C・コリア)

フラーがぼくたちに話したこと作者: リチャード J.ブレネマン,芹沢高志,高岸道子出版社/メーカー: めるくまーる発売日: 1990/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (6件) を見る そう、幾何学が足りない。この数百年というもの、…

『一千一秒物語』(稲垣足穂) 〜 【うたかたのオペラ】(加藤和彦)

一千一秒物語 (新潮文庫)作者: 稲垣足穂出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1969/12/29メディア: 文庫購入: 19人 クリック: 106回この商品を含むブログ (110件) を見る 大学のころポケットに新潮文庫の『一千一秒物語』をしのばせて歩いていた。梶井基次郎にと…

書物の森へ

人は、気がついたときはすでに書物に寄り添っていた。書物は文化の根にひろがる海であり、無数の言葉のとびかう密林である。 小学生のとき、父にはじめて買ってもらった本は『未来への旅』(ハインライン著、福島正実訳、講談社)だった。これはハインライン…